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Am2900 はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が1975年に開発した集積回路(ICチップ)のファミリである。バイポーラトランジスタを使用したビットスライス方式のチップファミリであり、複数のチップを組み合わせることでCPUを構成することができる。ビットスライス技術を使うことにより、Am2900 ファミリではデータ/アドレス/命令のビット幅を4ビットの任意の倍数長に設計することが可能である。この方式の難点はCPUに機能を詰め込もうとするとチップ数が膨大になる点であった。Am2901 は演算装置(ALU)であり、ファミリの中核となっている。これには4ビットの各種二進演算機能が盛り込まれている(ビットシフトを含む)。 == Am2900 ファミリのチップで構成されたコンピュータ == 以下に Am2900 を使用していたと判明しているコンピュータを列挙する。 * 木星探査機ガリレオの姿勢制御コンピュータやNASA製航空機で使われた Itek Advanced Technology Airborne Computer (ATAC)。Am2900ファミリを使った16ビットで16本のレジスタを持つコンピュータである。ガリレオに搭載されたATACには4つの特殊な命令が追加され、2901の放射線耐性を強化したバージョンも使われた〔"Computers in Spaceflight: The NASA Experience" - Chapter Six - - Distributed Computing On Board Voyager and Galileo - 〕。 * データゼネラル Nova 4: Am2901 ALUを並列に構成して16ビットワードを扱えるようにしていた。基板には15個の Am2901 ALU が搭載されたものもある。 * DEC PDP-11の機種 PDP-11/23、PDP-11/34、PDP-11/44 の浮動小数点オプション(それぞれ FPF11、FP11-A、FP11-F) * ゼロックス Dandelion: Xerox Star とLISPマシン Xerox 1108 で使われた。 * イギリスの GEC 4060/4150/4160(いずれもAm2901を使った16ビット構成)と 4090/418x/419x(Am2901を18個使って、32ビット整数ALUと64ビット倍精度FPUを構成) * DEC PDP-10 の KS10 モデル * NCRの Joel McCormack が設計した UCSD Pascal P-machine プロセッサ * MAI Basic Four の一部マシン * グラフィックスコンピュータ * SM-1420 - ソ連のPDP-11クローン。他のクローンでも使われていたと見られている。 * Lilith - ニクラウス・ヴィルト(チューリッヒ工科大学) * AT&T 3B20D コンピュータ 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「AMD Am2900」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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